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弁護士コル先生のコラム

弁護士コル先生の『ためなる』コラム ~その51~

公開: 2023年2月27日 執筆:弁護士コル先生 サイト構築:yafuoo 元記事
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夫に遺産は渡したくないが離婚はしたくないという悩みについて、相続や夫婦関係の資料を確認しながら慎重に検討している法律相談の場面

夫に遺産は渡したくない、でも離婚はしたくない…


相続関係や夫婦関係の資料を見ながら、遺産を巡る今後の選択肢を整理している様子を表した挿絵先日、以前交通事故を担当した方から別件の相談がある、ということで電話がありました。 内容としては… 「夫が不倫していることが分かった」 「戸籍を取ってみたところ、驚いたことに、不倫相手との間に子供がいて、その認知までしている」 「こうなった以上、夫や不倫相手には1円も私の資産を渡したくない」 というのです。

この相談者の方は、土地建物を持っていらっしゃったので、資産(遺産)としてはそれなりの金額が残る計算、とのことでした。また、一人のお子様もいらっしゃいます。(ご夫婦ともに70歳を超えていらっしゃいました。ご主人の方は何とお盛んなことかと思ったのはここだけの話です(笑))

そうすると、このお子様に全ての遺産を相続させたい、というのが【相談者の方のゴール】ということになるはずです。相談者の方も息子さんに全財産の生前贈与→公正証書遺言の作成(公正証書遺言の作成については以前別の記事で触れています)という流れをお考えのようでした。

もっとも、この方法でもご主人に遺産が渡らないとは言えません。なぜなら、法律上『遺留分』といって、法定相続分を有する相続人には、その半分については相続する権利が認められていることになるからです。細かい話をすれば、今回の事例の場合、生前贈与が特別受益に該当するのかどうか…という別の議論もありますが、そこはとりあえず置いておきます。

もちろん、相談者の方が御主人より長生きすればすむ話ではあるのですが、その保証がないことが気になっている様子でした。この場合、御主人は法定相続分として2分の1を有していますので、遺留分として4分の1を遺産として相続する権利が発生することになります。こればっかりは公正証書でも奪うことができない権利です。

何としても御主人への遺産相続を0にするのだとすると、生前贈与を息子に全てした上で御主人と離婚する、ということになります。そうすれば、財産分与を受けられる可能性もあり、かつ、法定相続分が消滅します。法的にはこの回答が正解です。

もっとも、女の意地とでも言うのでしょうか、相談者の方は頑なに離婚については拒否されていました。ここからは私の推測ですが、仮に離婚が成立するとすれば、不倫相手と御主人が再婚し、御主人を盗られるようなお気持ちだったんだと思います。

そもそも別居期間も長いので、御主人から離婚の調停→訴訟を起こされると離婚そのものについては敗ける(=離婚が成立してしまう)可能性が高いのですが(ご主人側からすると、慰謝料などを考えて訴えてこないのかもしれません)、この点ばかりはご本人の意思ですので、最終的には下記のどちらかを検討するようお願いしました。 ①…離婚して財産を渡さない ②…遺留分については覚悟する

感情論は法的に解決することができないのがやはりジレンマです。

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