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弁護士コル先生のコラム

弁護士コル先生の『ためなる』コラム ~その50~

公開: 2023年2月15日 執筆:弁護士コル先生 サイト構築:yafuoo 元記事
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有給休暇の利用目的を会社に伝える必要があるかについて、就業規則や申請手続を確認しながら慎重に検討している法律相談の場面

有休利用の目的って会社に言わなければダメ?


有給休暇の申請方法や会社への伝え方を資料で確認しながら整理している様子を表した挿絵私は基本的には、会社側からのご相談を受けることが多いのですが、以前、友人からタイトルにあるように、有休を会社に申請しようと思ったら、上司から「何のための有休なのか」を聞かれて、とても気分が悪かった、それって会社に言わなければならないものなのか、という相談を飲み会の席ではありましたが受けたことがあります。

結論から言えば、この上司からの質問には答える必要はありません。 休日・休暇というのは、労働者が使用者の指揮監督命令から完全に離れ、労働者が心身共にリフレッシュすることを目的としています。 そして、有休の取得は労働基準法上、労働者に認められた権利であり、使用者側にその理由を尋ねる権利は法律上定められていません。 仮に、そのような権利が使用者側に定められていると、例えば「旅行に行きたい」といった理由の場合、使用者側が「この忙しい時期に旅行!?」といった反応をすることが容易に想定されてしまいます。 使用者側として、業務の繁忙さと有休の理由を天秤にかけたい気持ちは理解できなくはありませんが、やりすぎるとハラスメントにつながってしまい、使用者・労働者の間で余計なトラブルを抱えることになりかねません。

使用者側には有休の消化については ①計画年休を定める ②時季変更権を行使する という対応があり得ます。

①計画年休については、労使協定を締結した上でということになりますが、使用者側が予め、有給取得日数のうち、5日を超えた部分(年間の取得日が10日なら5日は自由・5日は計画年休)について、年休取得日を指定することができる制度です。

また、②時季変更権とは、労働者の有給休暇の取得によって会社の事業の正常な運営を妨げることになる場合に、労働者が取得する有給休暇の取得時季を変更することができる権利で、これは労働基準法39条5項に定められた会社の権利ということになります。 もっとも、時季変更権の行使はそれほど簡単ではありません。 判例上、業務遂行のための必要人員を欠くなど業務上の支障が生じることだけでは足りず、人員配置の適切さや代替要員確保の努力など労働者が指定した時季に有給休暇が取れるように使用者が状況に応じた配慮を尽くしていることが必要となります。 また、いずれの場合であっても今回の相談内容のように、有給取得の際に、会社がその理由を尋ねることができるものではありません。

ほんの些細なことではありますが、労働者は堂々と有休を取得すればよいですし、その理由については、使用者側は労働者に聞くことがないよう配慮する必要があるでしょう。

大きな問題に発展してしまう可能性がないわけではない問題であり、身近に転がっている問題の一つだと思います

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