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弁護士コル先生のコラム

弁護士コル先生の『ためなる』コラム ~その106~

公開: 2025年9月30日 執筆:弁護士コル先生 サイト構築:yafuoo 元記事(準備中)
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相手方との交渉をどこで打ち切るべきかについて、やり取りの経過や提示条件を確認しながら慎重に検討している法律相談の場面

出訴期間のある訴訟には注意を~最近感じたヒヤリ・ハット~


交渉経過メモや提示条件の比較表を見ながら、交渉打切りの判断材料を整理している様子を表した挿絵特に会社法上に規定されていることが多いのですが、一定の法律上の請求を行う場合、出訴期間が定められている場合があります。

簡単に言うと、当該請求を一定期間行わないことで、もうその請求はできないことが法律上明言されている場合がある、ということです。

似たような概念として消滅時効というものがあります。

消滅時効については援用といって、その消滅時効の成立を主張する当事者が、その主張をすることにより、初めて消滅時効が成立することになります。そのため、この期間を経過していても裁判所は、事件自体は受理しますし、極端な話、相手が欠席すれば、消滅時効の要件を満たしていたとしても、請求自体が認められることになります。

これに対して、出訴期間については、そもそも当事者の意思表示すら不要です。つまり、その期間を経過している場合、裁判所が訴状自体を却下することになります。

会社法や行政訴訟の場合に、この出訴期間が定められており、ある意味、訴訟提起する際の前提条件のようなものになります。

もちろん、どちらの期間も弁護士が受任した後にこの期間を経過すると、弁護士の責任問題に発展する事項ですが、消滅時効と違い、出訴期間はなかなか扱う事件に関連することが多くはありません。

今回は、私が経験した出訴期間のヒヤリ・ハット事例です。

例えば、取締役の選任などをめぐる争いの場合、当該取締役が選任された株主総会決議の取消請求訴訟を提起しようとすると、その出訴期間は当該株主総会の決議があった日から3か月以内です(会社法831条)。

今回のご相談は、会社の支配権争いであり、依頼者と被告となる人物のどちらが会社の株主なのか、が問題でした。

依頼者の方のご相談事項としては、「自分が株主であるのであるから、取締役を解任し、自分が取締役に就任したい。」というものでした。

そのため、その打ち合わせでは、必要と思われる資料をお願いし、それを踏まえてお見積もりをする、という形で終わっていました。

ところが、頂いた資料を見ると、あと1週間もしないうちに、当該取締役選任決議から3カ月が経過しようとしていました。

私の中では「やばい!間に合わない!」というのが第一印象で、資料をもらっていなかったとはいえ、出訴期間の説明をしなかったのが弁護過誤かもしれない…

と頭を抱えかけました。

が、ここで気づきました。

そもそも本件は会社の株主が誰か、というのが主たる問題です。

とすれば、株主の地位確認請求を行い、依頼者が株主になった後に、解任決議と選任決議をすれば、解決できる問題でした(特に現状の取締役の行為によって、会社に損害は生じていない様子でしたので…)。

請求が変われば、もちろん出訴期間の問題はクリアです(株主の地位確認請求は時効の問題はあるにしても会社法上の出訴期間の定めはありません)。

冷や汗をかいた事案でした。出訴期間の説明も会社法や行政法上の請求の時は意識しないといけないですね…。

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