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弁護士コル先生のコラム

弁護士コル先生の『ためなる』コラム ~その104~

公開: 2025年8月27日 執筆:弁護士コル先生 サイト構築:yafuoo 元記事(準備中)
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法的手続に入る前の準備の大切さについて、証拠や相談メモを確認しながら慎重に検討している法律相談の場面

事実婚と法律婚~価値観の多様化といえども~


証拠や相談メモを見ながら、法的手続前の準備事項を整理している様子を表した挿絵近年、多様化する価値観に伴い、色々な結婚の在り方が出てきています。典型的なのはLGBTの方たちのパートナーシップでしょう。

法律上、「婚姻は両性の合意のみに基づいて成立」するとされており(民法739)、この条文からすると、両性の合意が必要なのでLGBTの方たちは法律上の婚姻をすることができません。もっとも、近年の価値観の多様化に伴い、思想・信条の自由や、平等権の問題から、各地方公共団体が独自にパートナーシップ制度等を定め、その事実上の婚姻についても保護しようとしているのが実態です。

もちろん、異性同士であっても、法律上の婚姻を選択せず、事実婚を選択されるご夫婦もいらっしゃいます。

今回のご相談者の方は、まさにそういった婚姻関係の下、お子様もいらっしゃいましたが、配偶者の方の不倫について訴訟提起をされたい、というご要望でした。

理論上、法律婚ではない事実婚であったとしても、慰謝料請求は認められる可能性はあります。

そのため、私は、配偶者と不倫相手に対して、共同不法行為民法719条)に基づく損害賠償請求を提起することにしました。

もちろん、共同不法行為責任の追及ですので、当方において、

① 故意または過失による行為であり

② 当該行為に違法性が認められ

③ 当方に損害が発生しており

④ 行為と③の損害に相当因果関係が認められる

ことを主張・立証する必要があります(立証責任は当方にあります)。

私としては、依頼者と配偶者との間に子供がおり、同居もしていたことから事実婚としての主張は十分であり、裁判例からしてもこの主張は十分に妥当なものと考えて、提訴の上、期日に臨みました。

先方からの主張は、①そもそも法律婚ではない、②同居といっても度々不倫相手の家に外泊していたし、住民票も同居していたマンションには移していない、③不動産も共有などではない、として、事実婚ではない(少なくとも法律上の保護には値しない)ので、不倫に違法性がない、というものでした。

感覚的には、こちらが勝てると思って臨んだ期日だったのですが、裁判官は、同居の実態に関する証拠が少なく、住民票を移動していないことを重視し、今回の関係性では被告らの主張に理があるとのスタンスでした。

もちろん、反論書面は提出いたしましたが、最後までそのスタンス(心証)が覆ることはなく、少額での和解に応じざるを得ませんでした。

これだけ価値観が多様化している現代においてもなお、法律婚か事実婚かでこれだけの違いがあるのか…と思い知らされた事件でした。

たかだか紙切れ1枚を役所に提出しているか否かの差なんだけどなぁ…とモヤモヤが非常に残り、今後の、こういった事件ではより慎重な見立てが必要だと感じました。

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