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弁護士コル先生のコラム

弁護士コル先生の『ためなる』コラム ~その94~

公開: 2025年3月30日 執筆:弁護士コル先生 サイト構築:yafuoo 元記事(準備中)
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交渉でどこまで譲歩すべきかについて、条件比較表や相手方提案を確認しながら慎重に検討している法律相談の場面

事故物件になった時どういった損害が発生する?誰に請求できる?


条件比較表や相手方提案書を見ながら、交渉での譲歩ラインを整理している様子を表した挿絵あまり明るい話題ではありませんが、弁護士として仕事をしていると、大家さんから「賃借人が建物内で自殺してしまった。」といった相談を受けることもあります。

その場合、大家さんに発生し得る損害としては

①原状回復費用(清掃・消毒等)

②内部の物(賃借人の私物を含む)の撤去費用

事故物件となってしまったことによる逸失利益

が挙げられます。

①については、亡くなった方の相続人や保証人が行ってくれればいいのですが、多くの場合、一旦大家さんが行ってその費用を相続人や保証人に請求していくことになります。部屋の中で亡くなった場合、通常の清掃とはもちろん異なりますので、費用も高額になります。

②については、相続人の許可を得て行う必要がありますが、後述するように、相続人が相続放棄した場合には、大家さんの判断で行っても基本的に差支えはないと思います。ただ、相続人の調査⇒全員が放棄したことを本来であれば確認することが必要になります。

③については、色々な考え方があるところではありますが、裁判例では3年分(1年分は賃料全額、残り2年は賃料半額)の逸失利益を認めているものがあります。

文献上でも、上記と同様の逸失利益を算定したケースが多く見受けられると記載されています。

これらの損害は、賃借人の自殺、という行為に起因する損害ということはできると思いますが、これらの損害を大家さんは借主本人が死亡しているため、誰に請求できる、ということになるのでしょうか。

まずは、保証人がいる場合には、保証人に請求することができる、ということになります(連帯保証人でなければ検索の抗弁といって、まずは、相続人に請求すべき、という主張をされる可能性はあります。)。

ただし、保証人が個人である場合には、民法465条の2という規定がこういった場合の身元保証(法的に言えば根保証)について

「個人根保証契約は、前項に規定する極度額を定めなければ、その効力を生じない。」

と規定しています。そのため、保証人が個人である場合には保証契約と同時に定めた極度額までしか請求できないことに注意が必要です。

次に、請求できる可能性があるのは亡くなった賃借人の相続人です。

こちらに請求する場合には上記のような極度額の理論は出てきませんが、以前別の記事でも扱ったことがある相続放棄をされる可能性があります。

例えば亡くなった賃借人が未婚で子供もいないのであれば、一次的には両親、両親が相続放棄をして祖父母が存命であれば祖父母・・・といった形で相続人を順に追い、請求をかけていきますが、相続放棄をする権利はそれぞれの相続人にありますので、相続放棄をされてしまい、相続人がいなくなってしまうと、こちらへの請求は難しい、ということになってしまいます。

大家さんの立場で中々コントロールすることは難しいとはいえ、一種の不動産投資(不動産業)のリスクと言える事態と言えると思います。

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