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弁護士コル先生のコラム

弁護士コル先生の『ためなる』コラム ~その61~

公開: 2023年7月31日 執筆:弁護士コル先生 サイト構築:yafuoo 元記事
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契約書作成の重要性について、取引内容や条項案を確認しながら慎重に検討している法律相談の場面

未成年誘拐罪と共同親権


契約書案や取引条件を見ながら、契約書作成のポイントを整理している様子を表した挿絵卓球の元日本代表・福原愛さんと元夫との間のお子さんをめぐるやり取りがマスコミを巻き込んで、ここのところ、ヒートアップしています。

特に元夫側が記者会見を開いてお子様の引渡しを求め、かつ、元夫の代理人弁護士の大渕愛子弁護士が未成年誘拐罪の刑事告訴についても言及したことはご存じの方も多いのではないでしょうか。

この例に限らずですが、離婚の際に子供を連れ去られた!という話はよく相談に持ち込まれる話ではあります。

そもそも、日本の民法においては、親権については両親が法律上の夫婦である間は共同親権とされており、離婚の成立と同時に両親のどちらか(基本的には母親が親権を持つことが多く、審判に至る場合でも、母親に親権が認められるケースが多いです)の単独親権に移行することになります。日本では離婚後の元・夫婦において、共同親権は認められていません(いくら、夫婦の間で共同親権と合意しても無効となります)。

そのため、共同親権者であるうちに、いざ争いになった時に不利になる方が子供を連れ去ろうとするのはよくある話といえばよくある話なのです。あくまで一般論ですが、共同親権を有している間であれば、よほど違法な態様でない限り、当該連れ去りが違法とは評価されるのが難しいといえるからです。そして、連れ去った後に子供の監護実績を作ろうとするのもよく聞く話です(このような、連れ去った方が得、ということが横行しないように、今回話題になった保全命令が法的には定められています)。

さて、この前提に立った時に、今回の大渕弁護士のいう未成年誘拐罪による刑事告訴が果たして可能なのか?というのが今回の疑問です。

確かに、違法な連れ去りが認定され、未成年誘拐罪が成立した例もあるようです。 しかし、今回の福原さんは、日本の民法で定めのないお子様の共同親権者です。

この場合、例えば、今後元夫側にお子様を引渡す内容の決定が確定し、その強制執行がなされたとしても、それを福原さん側が共同親権者であることを理由に拒否することも十分に考えられます。

その際の福原さんの対応が違法となるのかが個人的には非常に疑問です。 そもそも、他の記事でもご紹介したように、刑事告訴を受理してもらい、犯罪として捜査してもらうにはかなりのハードルがあります。

それでもなお、元夫側が刑事告訴に動くのか、動くとして、警察がこれを受理するのか、受理したとして、共同親権者としての権利を無視してまでも刑事事件として立件するのか、この件には、日本法で定められていない概念が介在しているがゆえに、今後かなりややこしい案件に発展するのではないかと思いました。

同時に、一法律家としては、(お子様の身柄の問題もありますので、不謹慎であることは重々承知していますが)今後の動向は注視しておきたい案件であるとも思いました

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