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弁護士コル先生のコラム

弁護士コル先生の『ためなる』コラム ~その3~

公開: 2021年2月28日 執筆:弁護士コル先生 サイト構築:yafuoo 元記事
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法的用語の誤りを示す拡大鏡と書面、吹き出しの対比を連想させるイラスト。被疑者・被告人などの使い分けを思い出す

マスコミ用語と法律用語~実は結構間違っています~


法的用語の使い分けを連想させる拡大鏡と用語カードの挿絵。被疑者・被告人の区別を思い出す芸能人が例えば大麻や覚せい剤等で逮捕された場合、マスコミは「●●容疑者が逮捕され、今■■警察署に身柄を移されました。」といった報道をします(おそらく、みなさんも耳にしたことのあるフレーズではないかと思います)。

そして一般的には、その後その●●容疑者については、送検(検察に身柄や証拠を送られることの俗語です。)され、起訴されると●●被告という表現に変わっていきます。

弁護士でなくとも法学部出身者であれば、この表現に違和感を覚える人は少なくないのではないでしょうか。

まず、「容疑者」という法律用語は存在しません。マスコミが一般的に「容疑者」とされている人は「被疑者」と呼ぶのが正しい、ということになります。

逮捕される場合であれば被疑者は逮捕後72時間以内に勾留されるか否かが決定され、勾留されるとまずは最大10日間、その後最大15日間の勾留期間の延長、といった形で最大25日間その身柄を拘束される可能性があります。

そして、検察官の判断で当該被疑者は刑事裁判を受けさせるのが相当、と判断されるとその被疑者は「起訴」され、被疑者から「被告人」となります。被疑者は捜査段階、被告人は刑事裁判を受ける人物、という形で分けることができます。

では、マスコミが起訴後に用いる「被告」とは一体どういう意味なのか、というと、これは民事裁判上で訴訟を提起された側のことを意味します。

例えば、お金を借りたのに返していない人が貸主から訴えられる場合、貸主が「原告」、借主が「被告」といった形になり、裁判で判決が出る場合には「被告は原告に対し金●●円を支払え。」という判決であったり「原告の請求を棄却する。」という判決が出ることになります。

この記事の最初に「そんな細かいことどうでもいいだろ・・・」と思われた方もいるかもしれません。しかし、「被告」と「被告人」では実際の意味において大きな違いがあるのです。

何故、マスコミが被告人という言葉を用いず、被告という言葉を用いるのが通例になっているのかは正直なところわかりません。ただ、特に刑事事件は身柄を拘束されたり、当該被疑者・被告人の名誉や信頼に大きく関連する事項であることは明らかなだけに、法律家としては、マスコミにもできるだけ正確な用語で報道して欲しいと思ってしまいます。

トリビアといえばそれまでですが、こういった点も今後ニュースを見る時に着目してみてはいかがでしょうか。

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