フジテレビ問題 第三者委員会の調査報告書で話題になった守秘義務とは?
先日、中居正広氏問題を中心とするフジテレビについての第三者委員会の報告書が発表されました。
同報告書をしっかりと読んだわけではありませんが、マスコミの報道を見ると、中居正広氏の(当時)フジテレビアナウンサーであった女性への性暴力を認定している、といった結論のようです。
誤解を避けるためにまず言っておくと、性暴力はもちろん許されることではありません。もちろん、この記事は中居正広氏を擁護するものではありません。
その前提で書かせていただくと、そもそも事の発端は週刊文春によるスクープだったはずです。その時に出てきたのは中居正広氏と被害女性との間に性的トラブルがあったこと、中居正広氏が示談金として9000万円という法外とも思えるような金額を支払ったことでした。
弁護士であれば、何故、この情報が出たのだろう?と思う事案です。
トラブルの内容がトラブルの内容ですし、普通なら包括的な口外禁止条項(≒守秘義務条項)を挿入するはずだからです。
一般的な口外禁止条項というのは概ね以下のような条項です。
第●条(第三者への口外禁止)
甲及び乙は、本件の経緯(内容)、本合意書の内容、及び本合意が成立したことについて、正当な理由がない限り、第三者に口外しないことを互いに約する。
この条項であれば、そもそも週刊文春のスクープ自体が被害女性の口外禁止条項(≒守秘義務条項)違反に該当し、当該合意の債務不履行になる可能性があり、被害女性は中居正広氏から示談金の返還を求められる可能性すらあったはずなんです。
ここにいう「正当な理由」は、合意にしたがって様々な手続を行う際に、関係機関に合意内容を知らせなければならないこと等を指すので、かなりハードルは高いといえます。
しかし、どうやら今回の合意書は合意書の内容については守秘義務が課せられる内容となっているものの、経緯等については特に守秘義務の対象になっていないようです。
そうでなければ、第三者委員会はそもそも本件の経緯についてすら、聴取できない可能性があった、ということになります。
なぜ、こういった守秘義務の範囲になったかは不明ですが、被害女性がどこかのタイミングでこの事柄を公にするつもりだったのかもしれませんね・・・。
中居正広氏側が守秘義務を要求し、被害女性側が当初拒否したものの、示談金額があがったり、他の諸条件でこういった着地になったのでしょうか・・・。
弁護士としては、第三者委員会の報告書は守秘義務一つとっても、中々に考えさせられる興味深い文書でした。