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弁護士コル先生のコラム

弁護士コル先生の『ためなる』コラム ~その74~

公開: 2024年2月26日 執筆:弁護士コル先生 サイト構築:yafuoo 元記事
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損害賠償請求の成否について、事故やトラブルの資料を確認しながら慎重に検討している法律相談の場面

推定無罪の原則~刑事事件で有罪になる場合とは~


請求資料や事情説明書を見ながら、損害賠償請求の考え方を整理している様子を表した挿絵ニュースやドラマでたびたび取り上げられる推定無罪の原則。話題になる頻度は少なくないものの、日本では起訴された場合99%以上が有罪になるというデータがあるので、逮捕された時点又は起訴された時点で被疑者に対する世間の目は「犯罪者=有罪の人」という目になりがちです。 推定無罪ですので、まず、逮捕されても被疑者は有罪ではありません。あくまで、被疑者は「容疑者」という言葉があるように、当該犯罪を行った容疑を掛けられている人にすぎません。あくまで、有罪判決が出て、それが確定したときに被疑者⇒被告人は有罪となります。 (もっとも、この有罪率の高さは日本の検察が、被疑者を起訴するにいたるまでの間、捜査を慎重に行い、有罪にできると判断したものについて起訴しているからではあると思いますが…) また、仮に有罪になったとしても、被告人は一人の人間として一定の制限は受けるとしても人権を有していることを忘れてはいけません。

では、一体どういった場合に、この推定無罪の原則が破られ、有罪判決が下されることになるのでしょうか。法学部で刑法をかじったことがある人であれば、今回の記事は「何だ、そんなことか…」というレベルかもしれません(笑)

被疑者⇒被告人が有罪になるためには ①… 構成要件に該当し ② …①の行為に違法性が認められ ③ …その人に責任能力がある という3要件を充たしていることが必要となります。

①の構成要件というのは、刑法または特別法に規定されている条件に該当する行為を行ったと認定できるか、ということです。 日本は罪刑法定主義といって、●●をしたら懲役●年、又は罰金●円に処す、という風に、何をしたら刑法や特別法で処罰されるのか明記されていなければその罪に問われることはありません。そうしないと国民の予測可能性が担保できないからです(何をしたら罪に問われるかが分からないと人々はどうしたらいいか分からなくなってしまいます)。 今まさに、サッカー日本代表の伊藤純也選手はここで争っている、ということになります(争点が性行為の有無なのか、同意の有無だけなのかは分かりませんが…)。

②については、正当防衛や緊急避難等例外的に違法性が阻却される場合にこの要件を充たさなくなり、無罪になるというものです。構成要件に該当してしまう行為は原則として違法な行為ではあるものの一定の例外を定めているもの、ということができます。

③については、心神耗弱や心神喪失といった、もはや(精神病等により)自我を失ってしまい、ワケも分かっていないような状態で犯行に及んだ場合に例外的に責任能力がない、と判断されます。 弁護士としては、①に該当してしまうと中々に争うのが難しいことから、よく殺人事件等ではこの責任能力がなかった、と主張されることがあります(京アニの放火事件もこの主張でしたね)。

このように、人が有罪となるにはいくつもハードルがあります。特に②違法性阻却自由についてはまた別の記事でも取り上げようと思いますが、刑法的には面白い論点が存在します。

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