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弁護士コル先生のコラム

弁護士コル先生の『ためなる』コラム ~その65~

公開: 2023年10月5日 執筆:弁護士コル先生 サイト構築:yafuoo 元記事
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著作権侵害にあたるかどうかについて、画像や文章、利用状況を確認しながら慎重に検討している法律相談の場面

経費の使い方には注意を~会社のお金だからって好きにしていいわけではない~


画像や文章の利用状況を見ながら、著作権侵害の有無を整理している様子を表した挿絵先日、ある会社から相談がありました。 従業員が、会社から割り当てられた予算を使い切らないと、次の期の予算が割り当てられないと考え、余っていた予算を会社に無断で従業員の懇親会に使ってしまった、というのです。この問題には①会社の内部の問題(懲戒処分等)、②民事事件の問題、③刑事事件の問題が含まれています。

会社から予算を割り当てられたからといっても、当然のことですが、その使途は会社の業務の関連するものに限られます。

会社はあくまで会社の業務に必要な経費として、予算を割り当てているからです。 つまり、予算はあくまで会社のお金である、ということになります。

そうすると、今回の事例は、他人から預かっているお金を使用してしまうことが問題になるのです。 本来、どうすべきだったか、というと会社の了解を事前であれ、事後であれ、当該従業員がとっておくべきだった、ということになります。 会社の了承があれば、会社のお金を会社の意図に基づいて使った、といえるためです。

この場合、上記の①~③の責任としてはどういったものがあるでしょうか。

①の会社内部の問題については、まずは就業規則でどういったことが定められているか、ということになります。 懲戒処分の事由に該当するか、(金額が大きければ)普通解雇事由に該当するかについてはについては、就業規則にどういった定めがあるかによります。もちろん、勝手に使った金額によっても結論は大きく左右されることになります。

②民事事件については、使い込んだ金額について会社が当該従業員に対して返還を求めることになります。法律構成としては不法行為(民法709条)か不当利得(民法703条704条)ということになるでしょう。

③刑事事件については、会社への説明の仕方によっては詐欺罪(刑法246条)が成立する可能性や、横領罪(刑法252条)、何度も繰り返しているような場合は業務上横領罪(刑法253条)が成立する可能性があります。

このように会社側は①~③の手段を従業員に対して色々と請求することが可能です。どの手段を採らなければならないというわけではありません。

今回の場合、金額がさほど大きくなかったこと、当該従業員がプロジェクトにとって不可欠な人材であったこと等を考慮はしたものの、今後の会社内でのルールの徹底を図る必要性もあったことから、譴責(始末書を書かせる懲戒処分)にすることとし、当該懲戒処分を社内に掲示することで注意喚起を行うことにしました。

こういった場合、「今まで大丈夫だった」「他の人もやっている」は何の言い訳・説明にもなりません。

弁護士としては、業界のカラーもあるのかもしれませんが、今一度コンプライアンスの徹底が必要だなと感じた事案でした

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