ウェブでの訴訟期日~新型コロナ・ウイルスの前と後~
新型コロナ・ウイルスが流行してから、訴訟期日もウェブで行われることが増えました。
以前であれば、第1回期日は原告側が必ず出頭する必要がありました。以前、別の記事でも説明したと思いますが、第1回期日は、原告側と裁判所の都合だけで期日が決定されるため、基本的に被告側は欠席します。
そして、提出する書面も概ね
第1 請求の趣旨に対する答弁
1 原告の請求を棄却する。
2 訴訟費用は原告の負担とする。
との判決を求める。
第2 被告の主張
追って主張する。
そいうものであり、期日に行っても裁判官から「原告は訴状を陳述されますね。」との質問があるのに対して「はい、陳述します。」と回答するだけの形式的な期日がほとんどでした。
これだけのやり取りのために場合によっては往復だけで半日以上かけて移動しなければならなかったのです。
これも別の記事で書いたと思いますが、弁護士が遠方に出張し、期日に出頭するとなれば、交通費はもちろん、日当も発生します。つまり、この第1回期日というのは、依頼者の方にとっても少なくない負担だっただろうと思います。
第2回以降については、電話会議にしてくれることが多く、出頭しなければならないのは、尋問期日位ではありました。
もっとも、例えば東京23区内の弁護士であれば、立川や横浜の裁判所では中々電話会議にしてもらえず、出頭することも少なくありませんでした(出頭で期日を行うか、電話会議にするかは最終的には裁判所の判断でした)。
新型コロナ・ウイルスの影響で、移動による感染拡大を防ぐべく、裁判所でもかなり遅ればせながら、ウェブ会議による訴訟期日が実施されるようになりました(なお、現時点でも我々法曹の書面提出などはFAXを中心に行われており、相変わらず、この意味ではガラパゴス状態が続いています)。
ある意味、新型コロナ・ウイルスの数少ない「功」の部分といえるかもしれません。
その結果、上記の形式的なやり取りだけを行う口頭弁論期日はほぼ開かれなくなり、被告側が実質的な反論を行った上でウェブ会議の形で第1回期日が設定されていることがほとんどです。
もっとも、相手が本人の場合は、ウェブ会議にならないこともあり、この点は注意が必要です。
また、訴訟の最終局面である尋問についてはやはり対面で行われますので、この期日については、出頭することがほとんどです。
この話を他の業界の友人にすると驚かれることも多いですが…笑
弁護士としては依頼者への費用負担が異なってくる部分ではありますので、こういった訴訟追行にかかる費用についてもある程度明確な見通しをもって説明しないといけないな…と思う次第です。