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弁護士コル先生のコラム

弁護士コル先生の『ためなる』コラム ~その100~

公開: 2025年7月1日 執筆:弁護士コル先生 サイト構築:yafuoo 元記事(準備中)
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記念回としてこれまでの法的テーマを振り返りながら、裁判や相談実務の本質を静かに見つめている法律相談の場面

フジテレビは元役員・中居氏を提訴するのか!?そのロジックは!?


これまで扱った法的テーマのメモを見ながら、相談実務の本質を振り返っている様子を表した挿絵先日。フジテレビの親会社であるフジ・メディアホールディングスの株主総会が開催されたことが報道されていました。

その中で、元アナウンサーの女性の対応に当たった港浩一前社長と大多亮元専務については提訴準備に入っていることや、中居氏に対しての損害賠償についても話題に上がったようです。

港浩一前社長と大多亮元専務についてはフジテレビの取締役ですので、法的にはフジテレビとの間に委任契約が締結されていることになります。これに対し、フジテレビと中居氏は、テレビ出演に関する契約は締結していたでしょうが、フジテレビが中居氏を雇用していたとか、中居氏がフジテレビの取締役であった、といった事実はありません。

そのため、両社に対する責任追及はその根拠が異なってきます。

まず、港浩一前社長と大多亮元専務については会社法423条1項に基づく請求となるでしょう。

会社法423条1項は「取締役、会計参与、監査役、執行役又は会計監査人(以下この章において「役員等」という。)は、その任務を怠ったときは、株式会社に対し、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。」と定めています。

取締役は会社に対して委任契約に基づき善管注意義務を負っています。ただ、ここに言う「任務を怠ったとき」は最終的に会社に損害を与えたから認められるものではなく、通常ならそんな判断はしないでしょう、といった経営判断を行った場合に認められる任務懈怠責任です。

今回のケースで言えば、被害者とされる女性アナウンサーの命を守ることを最優先に考えた、ということを二人は会見等で度々話をしていましたので、このことと、事実を公にせず、番組を継続したりした判断が通常の経営者の経営判断として妥当であったか否かが問題になると思われます。

これに対し、中居氏に対しては民法709条不法行為責任を問うことになると思われます。

民法709条はこのコラムでも度々登場する根拠条文ですが「故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。」と規定しています。

今回で言えば中居氏はフジテレビの従業員に対して不適切な行為を働きかけ、かつ、これを隠蔽し続けた結果、フジテレビにおいてスポンサーの降板等の重大な損害を与えた、というロジックになると思われます。

もっとも、この場合フジテレビに生じた損害との因果関係の立証が必要になるほか、上記の二人をはじめ、フジテレビ側の関与も相当程度認められると考えられることから、実際に認容される金額についてはフジテレビ側の過失相殺(民法722条1項)により、相当程度減額されることになるのではないでしょうか。

株主総会を終えても中居氏側の反論がどうなるか、フジテレビ側が提訴するのか等、しばらくこの問題は終わりそうにありませんね・・・。

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